
核酸と脳機能について。
認知症について
日本における65歳以上の認知症の数は約600万人(2020年現在)と推計され、
2025年には約700万人 (高齢者の約5人に1人)が認知症になると予測されており、
高齢社会の日本では認知症に向けた取組が今後ますます重要になります。
認知症には大きく分けてアルツハイマー型認知症と脳血管性認知症があります。
アルツハイマー型の原因は様々ですが、概して、β-アミロイドと言われる脳のゴミの蓄積が見られるのが特徴です。
一方、脳血管性認知症は、脳梗塞や脳出血などによる血流障害のために機能が低下してしまうことにより起こります。

脳機能と核酸
人間の脳内では、生まれた時から核酸(DNA・RNA)が盛んに合成されていますが、
やがて成長するに従って、DNAの合成が止まり、RNAだけが増えていきます。
そのため体のあらゆる器官の中で脳には最もRNAが多く存在しています。
脳にRNAが必要とされる最大の理由は、
脳機能を維持するために、大量の『酵素』を使うからです。
例えば、脳を覚醒させる
ノルアドレナリンや、ドーパミン、
幸せホルモンと言われるセロトニン等の神経伝達物質を
脳内で作り出すにも『酵素』が必要となります。
またβ-アミロイドと言われる脳のゴミも分解して排出するための、
ネプリライシンや、インスリン分解酵素(IED)と言われる『酵素』が無ければ蓄積が進んでしまいます。
しかし脳には血液脳関門と言われる関所があるため、限られた成分以外は脳へ入ることが出来ません。
もちろん高分子化合物である『酵素』は血液脳関門を通過することは不可能です。
そのため脳に必要とされる『酵素』は脳内で一から作られます。
分類上『酵素』はタンパク質です。
そのためタンパク質合成の必須成分であるRNAが必要となります。
あらゆる器官の中で、脳にRNAが最も多く存在するのはこのような理由が関係しています。
ちなみに核酸は、専用のトランスポーターが存在するため血液脳関門を通過することが可能です。

また、核酸を構成する、アデノシンと言われる成分には、
末梢血管を拡張させる強力な作用があり、脳血管性認知症の予防や改善にも期待ができます。
昭和62年と大昔ですが、脳脊髄神経栄養剤とした核酸の特許が報告されています。
既に期限切れの特許ですが、その時の臨床試験に、てんかんやパーキンソンなどの脳疾患に顕著な症例の報告があります。
このようなことから『核酸』は脳機能の維持、向上に欠かすことのできない重要な成分であることが分かっています。
【重要】
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